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            メール・マガジン

       「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第036号        ’00−03−17★

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     常識における正義

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●我々<化石世代>が子供だった頃には、

 

「お巡りさんに言いつけるゾ」という脅し文句がありました。 ケーサツは一種、

<正義>の基準でしたからね。 しかし時代は巡って、、、今や、

 

その「お巡りさん」世界も、リーダーたちが職務放棄や訓令違反を犯し、公開の

場で平然とウソをつき、、、の崩れ方。 ああ、世も末、、の感を禁じ得ません。

 

しかも、国民(の側はあんな連中に頼んだ覚えは無かったが)を代表して彼らを

監視する、という国家公安委員会のお歴々がハキハキしない。 が、知れば納得、

警察庁ご推薦。 法外な報酬はいわば口止め料。 さらにビックリは、

 

大臣でもある委員長の「招集し、論議した」がウソで、決裁書を回して署名させ

ただけだったこと。 公の場で、真顔でウソをつくとは、ねえ?! 倫理性ゼロ。 

 

ケーサツは<行政>の一部。 その長たる総理大臣は、「権限なし」と責任回避、

そしてホンネが出て「運が悪かった」と。 いくら何でも、、、のお粗末。

 

 

ウソをついても、義務を履行しなくても、大手を振ってまかり通ってしまう、、、

広い世の中、たまにそんな人がいても不思議じゃないが、常識外れな奴はいずれ

ケーサツのご厄介、、、と信じられたのは昔。 去年からは怪しくなりました。

 

それがおおっぴらになったのは、かの<サッチー>事件以来。 不倫も公職選挙

での学歴詐称も、東京地検の<エリート>が妙な理屈で<公認>してしまったの

ですから。 もう、この世に正義や常識は無くなってしまったか、、、 と今更

 

嘆く私がバカ。 要するにこの国、一般人の常識とかけ離れた<彼らの常識>で

運営されて来たのに気付くのが遅かっただけ。  今回痛切に思い知りました。

 

*   *

 

竹村健一の「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」は今も

そのままですが、その<異質>日本の中に、<日本人の常識>で測れない世界

があるということ。 しかし、敵の敵だから味方、マイナスかけるマイナスは

プラス、とは行かない。 日本、世界、どちらの常識も受け付けない<彼ら>。

困るのは、その<彼ら>が、事実上この国を支配していること。

 

これじゃ正義も道徳も、、、と嘆かわしい限りですが、いくらか慰めになるのが

孔子様の言葉。 道徳が廃れた時代に高収入で、高い地位にいるのは恥ずかしい

ことなのだ、とおっしゃったわけ。 「邦に道無きに富みて且つ貴きは恥なり」

(論語:泰伯第八198)  これを当てはめて、

 

<キャリア>とか<エリート>とは<恥多き人々>なのだ、と考えれば何やら

辻褄が合って来ます。 かつては恥を知るがゆえに、慎み深い「恥の文化」で

あったものが、今や恥をものともしない人ほどエラクなる新・「恥の文化」に

なっているわけ。   <エラクなりたくない>症候群の方が健全なのかも。

 

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●警察は一種特殊な閉鎖社会、

 

だから<隠蔽>体質になる、とも言うが、それは昨日今日ではないし、我が国

だけの現象でもないでしょう。 CBSダン・ラザーの番組では「青い壁」、

ブルー・ウォールという俗語が用いられました。 あちらも青い制服のポリス

世界は、世間の常識が通用せず、理不尽がまかり通っているようです。 

 

だからこちらもそれで良い、じゃあるまいね、まさか。 敗戦と平和でボケ、

何もかもガタガタになってしまったこの国、最後の頼みはケーサツ、と思って

いたのに、、、おお、汝もか?!  しかもその崩れ方、ハンパじゃないぜ。

 

 

気になる一つの指標が「検挙率」。 これが近ごろ、どんどん低下していると

言います。 その原因、<彼らの常識>に求めることが出来るのではないか?

 

<世間>はいわゆる<常識>の世界。 そこで<悪人>を捕らえるには、当然

<世間の常識>を活用しなくてはなるまい。 なのにそれが無い、とか、それ

とは違ったもので相手を測る。 だから、見当違いをする、捕らえられない、、

 

かどうか知らないが、時々首を傾げさせられることが起こります。 たとえば

先ごろ、<廃棄物>を輸出して指名手配になった<社長>にインタビューする

TV番組がありました。 ご本尊、「出ると捕まるから、」ホテルにこもって

はいるけれども平然、モザイク加工なしで応じていました。

 

TVクルーの能力や努力を過小評価するわけではないが、何せ民間人。 それ

が捉えたくらいなら、プロたる警察が何故??? 「捕まえよう!」の意志が

欠けているのか、<彼らの常識>が邪魔したか、、?   こりゃワカラン。

 

まして今、ハイテク、デジタルの時代。 先端的な<悪人>となったら、もう

ローテク・アナログ・ケーサツ、捕まえられないぜ。 これじゃ世の中、物騒

なことになる一方だろう。   わたしゃ長生きしたくないよ。

 

*   *

 

第一線警察官諸氏はキャリアたちほど<崩れて>いない、だろうと信じたいが、

あまりチャントしていないことも明らか。 たとえば、目の前の違法駐車一つ

咎めようともしない。 それがもとで渋滞が生じているのに、おおらかに黙認。

 

訊くと「110番してくれれば、」と。 言われりゃしなくもない、らしいが、

プロとしての判断や自発的行動は無くて良いのかね?  「良い」らしい。

 

消防車が通れなくて困る、と消防署員も言いました。 警察への協力要請は?

と訊いたが、歯切れの良くない答え。 <世間常識>レベルの愚問、でした。 

そう、<保健所>が頼んでもダメだった。  役所同士って、仲悪いんだ。

 

しかし、そうした<小さなこと>をキチンと行なわないのはまずい。 企業の

運営においても、これは戒めるべきです。 ハインリッヒの法則、でしたかな、

「1:29:300」。 小さな不具合を300も放置すれば中トラブルが29も

起きる。 それらを適切に処理せずにいると、一つの致命的事件の発生を見る。

だから小さなことも放置しない、、、 正統派はマメなのです。 これ<常識>。 

 

新潟警察における出動拒否、重要資料不作成・滅失、類似事件の想起ミスなどは

その「中」レベルだと思いますが、問題解決の常識からすれば間違いなく<常識

外れ>です。  ほかにも隠されていることが、きっと20もあるでしょうよ。

 

*   *   *

 

問題が起きた、となると<解決の手腕>は頼もしく見えますが、それは必ずしも

胸を張るべきことじゃありません。 初めから問題が無くて済めば、その方が

良いに決まっています。 兵法にもある通り、「戦わずして勝つ」のが上策。

 

しかしそれは<一見些細>に取り組む地味な毎日。 「戦わず」だから、大立ち

回りなんか無い。 即ち正統派は目立ちにくく、また、報われることが少ない。

敢えてその道を歩むには、従って、よほど堅固な意志と正しい目標が必要です。

 

意志の堅固さは、いわば個人の資質。 技法ではどうすることも出来ません。

が、目標の正しさについては、技法の活用で補強することが出来るでしょう。

 

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●何故あんな常識外れの行動

 

を取ったのか、を理解するためのヒントは、「どんなステートメントだったら、

あの行動にふさわしいと言えるか?」です。

 

新潟県警本部長を辞任した小林氏の行動も、「対監察来訪者、好印象提供策の

選定」から生じたものだ、とすれば不可解ではありません。 それにおける

MUST は時間や費用の限定、WANT は、、、こりゃ色々あったでしょうな。

 

自分でも考え、足りなければ相手にも訊く。 すると、「雪のあるところ、、」。

ついでに思い浮かんだ、「じゃ白鳥も、、」。 で、選ばれたのが三川温泉郷。

 

しかし、最近の訓令「監察後の会食厳禁」を MUST に含め忘れたのは大失敗。

あまりにも<最近>で、まだ前頭葉に定着させる暇が無かったか、旧皮質の

うずきが勝ったか、完全無視。 <内輪常識>の優勢勝ち、でもありました、、

 

 

、かどうか。 ご本人も、こう明確には意識なさらなかったでしょう。 即ち

オートマチック思考。 それが危険のもとなのですが、これも気付かれにくい。

要職に在る者、<意識的に考える習慣>を武器の一つとしなくてはなりません。

 

行動に先立って、「このステートメントで良いのかな?」と点検していたら、

「好印象」ではあまりにも自分本位、と気付き得たでしょう。 また、「提供策」

が結局「接待」でしかないことにも。 当然、まずい。 変えられたはずです。

しかし、気付いたが実行した、となると?、、、 こりゃもう、確信犯ですな。

 

一方、<特別監査>。 <特別>に鋭い人が<監査>するんでしょ? 「どんな

課題群を抱えているのか?」、「その中で、当面の重点課題はどれか?」、とね。

 

しかしあいにく、全然<鋭く>なかった。 唯一のQ$Aが麻雀中の「帰らんで

いいのかね?」、「いいんです」。  「何が<いい>のか?」は無くていいのか?

 

どちらのどの部分も、いわば<習慣的行動>。 何の変更も施されず、無事進行。

それが<問題>化したのは、その<習慣>が不適切なものだったことの証明です。

 

*   *

 

翌週まで職場に出なかった小林氏は<確信>的で、<犯>の意識は無かったがに

違いありません。 <その世界の常識>に、芯まで染まっていたからでしょう。

 

昭和47年、あの浅間山荘事件の年に警察庁採用となった彼が「、、国民の身体、

生命、財産の保護、、」という警察の存在意義を心得ていなかったはずは無い、、

と見るのは佐々淳行元内閣安全保障室長。 その同じ男が、28年を経る間に

そこまでダメになったのは、<制度>が良くないからだ、とも。

 

始まりはどんなに良い意図であっても、時間の経過に伴って、次第に変質して

しまう、、、ことは時に避けがたい。 しかも多く、きわめて緩慢な変化なので

気付かれにくい。 何かあって初めて、ひどく<常識>から外れていることが

分かるものです。  何故か国家公安委員の皆さんはワカラナイらしいが、、、

 

そういう<緩慢な変化>には、多くの人間系要素が絡んでいて、<かけ離れ>

の原因を特定することは容易ではありません。 従って、まず不具合な<現実>

を認め、それをどのようにして<あるべき姿>に近づけさせるか、その方策を、

とすべきでしょう。  即ち、<問題分析>ではなく、<決定分析>で、と。

 

*   *   *

 

<緩慢な変化>にいち早く気付き、当初の<良い意図>を維持するための手を

打つには、その制度などに関わる人々それぞれの立場での当面の課題群を点検

するのが有効です。 そして、重点課題が正しく定められているか、それらに

おける MUST、WANT が適切に挙げられているか、をも見るのです。 また、

 

ある行動の成果を確かめるには、その行動によって、挙げられていた MUST、

WANT がどこまで満たされたか、を見れば良いのです。 行動に誤りがあれば、

当初の狙いは満たされない。 それを満たしたにも拘わらず、<あるべき姿>

が実現しなかったとすれば、、、 ステートメント自体が誤りであったのかも。

                 小林氏のケースもそれに当たります。

 

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今、あなたがどんなステートメントを掲げ、何を狙いとしていらっしゃるか?

それは、<当初>の目論見と一致するのか、もし<かけ離れ>が生じているの

なら、何を、どのように修正すべきなのか?

 

常に自己チェックをかけ、<常識>と<正義>を両立させることが必要です。

 

ひっくるめて考えるとアタマが痛くなることも、たとえばステートメント、

あるいは MUST、WANT に分けて考えれば、そう難しいものではなくなる。

整理してスッキリ、ストレスも軽減できます。

 

必要なら、ここに「おたすけマン」が控えておりますから。

                          ■竹島元一■

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